それは17日朝の出来事でした。
早朝にミューの滅多に聞かない苦しい鳴き声で目が覚め、
布団から飛び上がりミューの元へ駆けつけて身体を撫でると
力無くその場で横になりました。
それから体全体で息をするような荒い呼吸で見るからに苦しそう。
ミューを抱き抱え、よく寝ているTVボードの下へ運ぶと
ミューは身体を支える力が出ないのか、ゆっくりと腕を畳んで横になる。
それから当日、私はTVボードの周りを光が入らぬよう
ダンボールを切って囲いを作り薄暗くし、
猫の視界に入らないが観察は出来る距離から様子を見ていました。
たまに立ち上がりヒョロヒョロとした足取りでトイレに行ったり、
水を飲みに動いたのですが、水に関しては自分から口元まで近づくも飲もうとしません。
本人が「水を飲みたい」という意思がある以上叶えてあげたいので、
ミューを膝の上に乗せ、タオルを巻いて強制給餌に使っている
シリンジを使って水を数滴与えたところ飲み始めました。
普段一回で飲む水量を推測しながらゆっくり時間をかけて
シリンジから数滴ずつ飲ませると、
少し‥‥‥ほんの僅かながら力が出たのか足取りがしっかりしてくれました。
それから看病を続けていて気付いたことは
・眼が虚ろで眠る気配がない
・身体の異変が嫌なのかたまに立ち上がり姿勢を変える(落ち着かない)
‥‥‥この2点で、危篤状態の猫に見られる症状。
視力に関しては試しに私が顔や手を近づけると
視線を送っているので眼は見えている様子。
落ち着かない様子は
"体内に異変が起こると猫は
「病気」とは認識できず、「外部から攻撃されている」と
判断するため身を隠そうとする、またはその場から離れようとする"
‥‥‥というのをどこかで聞いた覚えがあります。
そのため文頭にも述べたように気が散らないよう暗くし距離を置きました。
(本当は近くにいてあげたい)
恐らく眼を開け続けてるのも落ち着かない状態故でしょう。
それから殆ど寝ずに看病していところ、容態の変化は特になく18日の朝を迎える。
夜中にシリンジで水と少々のご飯を与えるも摂取量は足りていないのは明白なので、
お世話になっている動物病院からリンゲル液を処方してもらおうと思ったのですが、
どうせ行くなら無理させない程度の簡単な診察も行ってもらおうと
ミューも連れて行きました。
‥‥‥とはいえレントゲンやら色々診察してみないと
やはり容態悪化の原因は分からないものですが、
そういった診察となるとミューの現在の体調を考えると負担は大きいため、
院内で行ってもらったのは当日分の輸液だけで、
リンゲル液と皮下輸液するための翼状針、
あとは胸水の粉薬を数日分処方してもらい帰宅。
それから自宅へ戻るも、完全室内飼いであるが故に体調というより、
外出による精神的に疲れの方が大きかった模様ですぐにTVボードの下へ移動。
それから数回シリンジを用いた水分補給とご飯を与えながら様子見。
今日は元々映画鑑賞を予定しており、キャンセルするつもりでしたが
同伴する方から「気分転換した方が良い」と言われ行ってきました。
気を使ってくれたけど、やはり心ここにあらずな状態が
前面に出ていたため鑑賞後はどこにも寄らずすぐ帰宅。
今後についてですが、病院に連れて行くのはもう止める予定で、
連れて行ったとしても体調が回復してから‥‥‥と考えております。
また負担にならないラインを意識しながらシリンジで水分とご飯を与えつつ、
以前発覚している胸水の粉薬とリンゲル液の輸液で経過を観察します。
オシッコは頻繁に出ており、トイレの際は自力で行くので
回復する可能性は高いと信じております。
3年前、姉妹であるミーが亡くなった時
『ミューに「その時」が来たら無理させず我が家で看取ろう』
と決めていました。
しかしいざ「その時」が訪れると何もせず看取る事は出来ませんでした。
ミーの時はどうしたらいいのか?どう行動したらいいのか分からず
病院へ幾度か連れて行ったり、一泊入院させたり、
強制給餌も口内からの水分補給も自身が至らぬせいでうまく出来ず、
結果‥‥‥最後の時は苦しそうに亡くなりました。
その時の光景が3年経った今も鮮明に脳裏に焼き付いて離れません。
もっと自分が何か出来ていれば、延命は出来ずとも苦しませずに
天寿を全う出来たのでは?
せめて好きなご飯と水だけでも飲んで欲しかったと未だに後悔が消えません。
何もせず静かに看取るか、生きて欲しいと実行するかは
共に過ごした主人それぞれで、正解はないと思います。
私はミューが生まれてから22年間、文字通り一緒に生活してきました。
この子がいま何を求めているのかはある程度分かると自負しているので、
可能な限り意思を汲み取ってミューがいま出来ない代わりの
「手足」となって尊重してあげたいと思います。